神埼郡吉野ヶ里町萩原 江里ロサヨさん(大10生)
和尚さんが、毎晩自分の部屋で餅焼いて食べよんさっ。
小憎さんも何とかして、自分たちも欲しいて、思いよったけども、
仕様がないもんだから我慢しとったわけどね。
ある日、
「あの、和尚さん、私に名前を変えてください」て言うて、小憎さんが。
「何て付けるか。お前の」て。
「あの、パタパタが言いですね」て、言(ゆ)うてね。
そして、翌日その晩、和尚さんがお餅を焼けたのを、こう叩いて、パタパタて。
そして、食べたんでしょ。
そいで、パタパタとしたもんだから、
「はい。和尚さん、何でしょう」て言(ゆ)うて、出て行って、
そして、お餅をね、自分もせしめたと。
そんだけの話は聞きましたけどね。
〔大成 五三四 小僧改名〕
(出典 吉野ヶ里の民話 P173)