佐賀市富士町栗並 山本 ウメノさん(大7生)

 時鳥(ホトトギス)は、

「カッチャントケタカ」て鳴くて言うですもんね。

ありゃあ、「母ちゃん、髪のとけたか」て鳴くて。

そいは、むかし、二番嬶(ニバンガク)さん【継母】がですよ、

先妻の子供の髪ばさ、歯の折れた櫛でね、

わざ(ワンザ)と櫛で、痛かごと削いよった【髪をといていた】て。

そいぎ、継子は、余(あんま)し【あまりに】痛かもんじゃい、

削ってもらっているうちに、時鳥になってですね、飛んで行かしたて。

そいて、次の年から木の下で、

「カッチャントケタカ【お母さん、髪がとけましたか】」

て鳴くようになったて。

(出典 新佐賀市の民話 P12)

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