嬉野町大野原 朝日ヒデさん(明36生)

 毎晩飴を買いに来る。

昔は一厘銭ばっかい持って、飴玉を買いに来るやろうかと

不思議に思うて、飴を買いに来る人の後をつけんさったら、

その墓さん行って、近頃埋まった新仏様の所で消えた。

和尚さんに、

「実は、がんがんやあとが、どがんやろうか」と聞いたら、

「それは、どがんごとやろうか」ち、言うことになって。

その墓を掘ってみんさったら、墓の中に子供が埋まっていたてぇ。

親は魂だけ毎晩、飴を自分の持っている金で飴を買いに来ていた、

と聞いていた。

事実、世の中には魂があるに違いない。

(出典 嬉野の民話 P82)

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