嬉野町大舟 一ノ瀬ミツさん(大6生)

            一ノ瀬寅六さん(明37生)

 むかし。

グゥッ、グゥッ、と鳴く時は、世情が良い。

ギャッ、ギャッ、言う時は、世情が悪い。

反対ばっかりしていたら、

「こりゃあ、当たい前言うたっちゃ、こいがせんけん」

と言っていたと。

俺が死ぬ時は、山に埋めてもらいたいから、

「川に埋けろ」と言ったら、山に埋めるだろうから、

「川に埋けろ」と言われたら、これが、川に埋めたそうです。

それだから、雨が降ったら、

「きゃぁ流るっ」と言って、

「ギャア、ギャア」鳴くんです。

そいばっかい【それでおしまい】。

(出典 嬉野の民話 P45)

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