嬉野町中不動 森 とめさん（明33生）
むかし。
親が言ってました。
俺（おい）が死んだ時は、仏蛙（びっきー）は反対ばっかりしていたから、
「山に行たてこい」と言うと、川に行き、
「川に行たてこい」と言うと、山に行って、
親の言うことと反対ばっかり、子がするもんだから、その親は、
「俺が死ぬごとあっ時ゃあ、死んだ時ゃあ、
どがんこんでん川に埋（い）けろというぎ山に埋くっけん、
山に埋くっごと川に埋けろ」と言って、
川に埋めさせまいと言いましたが、
「死にんさった時ないとん、当たい前聞かんば」と言って、
川に埋めたから、雨が降りそうな時は、
「きゃあ流るって、」鳴かれる。
そいばっかい【それでおしまい】。
（出典 嬉野の民話 P45）
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