嬉野町真上吉田 林田 豊さん(明24生)
むかし。
とにかくですねぇ、蛙はですねぇ、
「ありゃ、なし鳴こうか」て、言いよったぎぃ、
非常に蛙ていうたあ、親不孝て。
そいでその、蛙の親を川端に死んだぎ埋めとったて。
そいぎぃ、子の蛙が、
「親がきゃあ流るっ」ちせわして、
「ギァギァギァ」て、鳴くもんじゃっけん、
そうしてすっごと、蛙が非常に親を大切にしおったて。
そいぎぃ、親が川端に埋められとったもんじゃい、
そういうふうに私(あたい)どんは、えて聞きよりました。
(出典 嬉野の民話 P45)