嬉野町上吉田 杉原英次さん(明40生)

 なぜ、牛がねぇ、虎より早く行ったかは知らないんですよ。

しかし、鼠(ねずみ)は、ずるいから、

お釈迦さんの涅槃の時に、

牛の尻尾に掴(つか)まって行ってたそうです。

すると、牛が お釈迦さんの所に着く前に、

後(あと)の者は来ているだろうか?と思って、

くるっと後ろを見ました。

そうしたら、尻尾が後ろになったから、

鼠が飛び降りて、いちばん先に、

お釈迦さんの前に着いたらしいです。

それで、子・丑・寅と言う、順序のなったそうです。

そして、猫が遅れて来ました。

すると、お釈迦さんは、

「お前(まい)はその、遅れたけん、お前はその、十二のあぎゃんては入れん」

と言われました。

それで、猫の年がないそうです。

(出典 嬉野の民話 P17)

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