嬉野町皿屋 宮崎マツノさん(明36生)

 むかし。

あるところに、継母と継子がおったと。

ある日、継母が継子に髪をといてやっていた。

継母が櫛で継子の髪をひどく力を入れてけずっていた。

継子は、

「とけたか。とけたか」と言って、鳥になって飛んでいってしまった。

次の年、見かけたことのない鳥が木の上で、

「かっちゃんとけたか。かっちゃんとけたか」と、鳴いていた。

村の人たちは、誰もその鳥の名を知らなかったので、物知りの和尚さんに聞いた。

和尚さんは、

「それは、『母ちゃん、とけたか。髪の』と、いう意味たい」と言って、

教えてくれたげな。

[大成 五四 時鳥と継母]

(出典 嬉野の民話 P51)

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