
十二支の由来 あすりん。
嬉野市式浪 西野マサさん(明33生)
むかし、むかし。
お釈迦さんが十二支を決められるから、牛は朝から、
「明日は行かんまらんけん【行かなければならないから】」と言って、
早くから用意して、出かけて行きよったと。
鼠(ねずみ)は牛の背中に乗って行った。
お釈迦さんの家に着いたら、鼠はピョーンと、跳び降りた。
お釈迦さんは鼠に、
「お前が、いちばん先に来たけん、子の年ばい」と、言われた。
お釈迦さんは、到着の順番に、丑・寅・・・・と、決められた。
猫が十二支に入っていないのは、十三番目に行ったから、お釈迦さんが、
「お前、今ごろ来て。昨日、決めてしまったよ」と、言われた。
実は、猫がお釈迦さんのところに行く日を忘れたので鼠に、
「何時(いつ)かにゃあ【何時かねぇ】」と言って聞いた。
鼠は、
「十三日たいのう【十三日だよ】」と言って、嘘を教えた。
だから猫は、
「こん畜生(つくしょう)、俺が捕らんばあ」と言った。
それから猫は、鼠を捕るようになったげな。
(出典 嬉野の民話 P16)