鳥栖市幸津町 西村ハツさん(明25生)
「あの爺が、田うつは田うつは、
みいぎいにゃきんかんしょ、ひいだりにゃぎっかんしょ。」
ちゅうてね、猿が、爺さんに言いよったげなもんね。
「こんちくしょう、ぜったい、しゃっち、くうけんたあ。」
ずっと来るもんやけん、石にとりもちを
つけとんなさったって、爺さんの。
そいやけん、逃げようした時、
とりもちにひっついて逃げられんじゃったげな。
無理やりしたけん、ここん皮のはげたげなたい。
そいやけん、猿の尻は、あこしとろうがね。
そいやけん、猿の尻はまっかって。
注 「みいぎいにゃぎっかんしょ、ひいだありにゃぎっかんしょ」
は、この場合、右側と左側とを交互に掘ること。
(出典 鳥栖の口承文芸 P51)
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