鳥栖市立石町 綾部テル子さん(大10生)

                                             広瀬二三男さん(大15生)

 お爺さんが畑ば耕しよんさった。

狸が木の根っこじゃい、何かに乗って、

「あの爺が田打つにゃあ、左ぎにゃあギッカンショウ」

て冷やかす。 そして、狸ば捕って帰って、

「狸汁、作ってくれ」ち言(ゅ)うて、吊り下げとって。

そして、お爺さんはまた、畑に行って。

お婆さんが、あぎゃんとする前に、その狸が、

「下ろしてくれ。自分が搗いてやる」て言うでしょう。

そして、狸が今度(こんだぁ)ほどいてもろうてね。(綾部テル子談)

そして今度あ、反対にお婆さんば、搗き殺して。

そして、あの、炊きて婆汁ば炊いて、婆さんに化けてね。

そして、

「狸汁じゃ」ち言うてから、婆(ばば)さんば食わせた。(広瀬二三男談)

そして、

「棚の上、もう見ろ」ち言うて。

その狸が逃げたけん、今度あ、兎が出てきて、

兎がその話ば聞くんですよね。そして、

「自分が、仇(かたき)討ちしてやろう」ち言うてね、

今度あ、あの、兎が、

「山さい薪取りに行こう」ち言うてね、行って兎は後ろから、

薪の中にあの、萱(かや)入れとっ。

兎は自分な、あればってんが、狸の。

そして、それにカチカチ火打石で、あの、

「カチカチいうたは、何か」ち聞いたら。

「カチカチ山」ち。今度あ、

「ボウボウいうたは、何か」ち聞いたら、今度あ、

「ボウボウ山」て。(綾部テル子談)

そして今度あ、

「火傷の薬(くすい)」ち言(ゅ)うて、

兎が持って行ったてやるでしょう。

それが唐辛子で、ヒリヒリすっけんねぇ。

そいから、狸のはきれいな泥舟と、自分のは木舟で海に行って。

そして沈んでしまうですねぇ。仇取った。

            [三二B 勝々山]

(出典 鳥栖の口承文芸 P51)

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