東川登町袴野 南 権平さん（明31生）
むかしなたあ。
あの、蟹とばいなたあ、、あがんとが猿と餅搗かしたちゅう話たいなたあ。
猿と餅搗いてぇ。
そうして今度あ、猿が、あの、あがんとが、あの、木のところさい持って行たてぇ。
そうして、わがばっかい食うもんじゃっけん、
「俺ぇいっちょくいやい」て、言いよったち話です。
そいぎ今度あ、柿ば、生柿ばちぎって下さん、あの、落とさしたれば、
あがんとが、あの、蟹がちい死んだちゅうもんなたあ。
そいぎ今度あ蟹が、
「敵討ちすってぇろう」て、あの、猿の尻ばはすうだちゅう話たんたあ。
そいぎあの、猿の尻は真っ赤なった。
ありゃあ、猿ぃは蟹にえっしゃすっですよ。
猿、蟹ばやんないばなたあ、もう逃ぎぃはえじぃ、
そう言う風なやっぱい語りはあらましそう。
（出典 未発刊）
標準語版 TOPへ
