武雄市西川登矢筈　石橋ワサさん（明36生）

　むかし、武雄におこんぺぇどんという人が

おらしたそうです。

ある時、佐賀のお城に使いに行くことになっとって、

それで、朝方、嫁さんが弁当を作って、

「ちゃぁんと、弁当はここに置いとっけん」

ちゅうて、おこんぺぇどんの枕元に

置いときなったそうです。

そうしたら、おこんぺぇどんな、寝坊して、

「ありゃぁ、時間に遅れる」ちゅうて、

慌てて、その弁当を風呂敷に包んで、

背負って行かしたら、

嫁さんの腰巻で枕を包んでしまっとったそうです。

それから、途中で屁をした時、手をすげて包んで、

何時まで臭かろうか、と思うて、

ずーっと行きよらしたら、

佐賀のお城の門に着いても臭かったそうです。

それで、包んだ手をあけてみたら、

ウンコの入っとったて。

（出典　佐賀県文化財調査報告書　第71集「～矢筈・神六の民俗～」p135）

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