武雄市西川登神六 川浪キマさん(明33生)

 むかし、

あるお寺の和尚さんが、とても甘酒好きて、

小僧さんには少しも飲ませんで、いっつも、

一人で飲んでいたそうです。

それで、小僧さんは、飲みたくてたまらなくて、

ある時、和尚さんがどこかに行って、

居らんようになったので、今んはたに飲まじゃぁ

(この間に飲んでしまえ)、と思って、

お椀に甘酒を入れて、

見つからない場所はどこかないか、

と思って雪隠(便所)に行ったそうです。

そうしたら、雪隠の戸を開けたら、なんと、

和尚さんが、そこで飲んでおられたそうです。

それで、小僧さんな、持って来た甘酒を差し出して、

「お代えしましょうか」て言われたそうです。

(出典 佐賀県文化財調査報告書 第71集「~矢筈・神六の民俗~」p124)

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