多久市北多久町中ノ原 飯盛康晴さん(明43生)

 あの、やっぱい父親が、

酒好きの父親が病気で。

そしてその、買う金もないほどの貧乏だから、

あの、それでも、

「酒を飲ましてやりたい。酒を飲ましてやりたい」

ち言う一心でですね。

そして、あの、山道を通っていたら、

酒の匂いがするもんだから、そいだから、

その、酒の匂いのする所に寄って行ったら、

あの、滝からお酒が落ちていきょったちゅうことで、

たっぷり父親にお酒を飲ませてやった

ちゅうようなことなんですけど。

[自然説明伝説・水]
(出典 多久・飯盛翁が語る佐賀の民話 P115)

標準語版 TOPへ