多久市北多久町中ノ原 飯盛康晴さん(明43生)
猫化けは鍋島さんのお手かけさんの、
とにかく碁ば打ちよってしたところが、
相手の人が盲(めくら)さん【目の不自由な人】
じゃったわけよ。
そして、盲さんばってん【だった】が、
碁がなかなか強かったらしい。
そして強うして、そうしてしたぎ、
鍋島公が負けたらしい。
そいで負けたもんだから、あれを、
その、返り討ちにすっ時ですね、
二号さんの鍋島公の連れ子の、
そう言う何か関係があってですね。
そうして、その恨みが、
その女の、奥さんの恨みが、
晩に燈篭(とうろう)などに出て来て、
そして猫になって、その、騒がせたと。
それを退治するのが猫化け騒動で。
[文化叙事伝説・精霊]
(出典 多久・飯盛翁が語る佐賀の民話 P109)