多久市北多久町中ノ原 飯盛康晴さん(明43生)

 佐嘉の五十三万七千石は、多久藩が治めとったと。

父は多久藩がおらんぎぃ【いないと】、

佐嘉はたっていたとらんやった

【成り立っていなかった】、

と言うことを、かねがねもう、

誇りとして言いよったですがね。

そいぎ何じゃい学問のことにしても、

あるいは武人のことにしても、

全てが多久に偉い人がおったらしい。

そいもんだから【それだから】、

すぐ早駕籠(はやかご)で佐嘉から

多久藩に、もう迎えきおったて、

言うことで

もう昔から多久藩に偉い人間が住んどったと、

言うことをかねがね、

まあ聞きよったですがねぇ。

[文化叙事伝説・英雄]
(出典 多久・飯盛翁が語る佐賀の民話 P96)

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