多久市北多久町中ノ原 飯盛康晴さん(明43生)
秋の茄子(なすび)は非常に美味しいですもんね。
普通の時の茄子はほら、
もう煮てもビシャーッてなるし。
ところがその、秋の茄子はですねぇ、
あいがその、もう締まってくる
わけですね。
だからその、シコウシコウなるたんたあ。
そいでもう、煮て田楽など煮じめても、
シコウシコウしてほんに美味しいわけ。
だから、その姑さんが嫁を憎くくて、
言うところから、その、
「秋茄子ゃ嫁に食わすんな」と言うて。
[俗信譚]
(出典 多久・飯盛翁が語る佐賀の民話 P79)