多久市北多久町中ノ原 飯盛康晴さん(明43生)

 聟(むこ)さんが嫁さんの家(うち)に行って、

団子(だご)出されてですねぇ、

その団子の名ば忘れたわけです。

そいぎその、

「なんてその、忘るっちゅうことのあんもんかあ

【忘れるということがあるものか】」

ち言(ゅ)うて、火吹き竹で叩(たちゃ)あて、

瘤んできたて。

そうして、

「瘤(こぶ)だあ。団子(だご)のごたっ」て。

「瘤、瘤。この団子、この団子」

て言うて言うたて話ゃあっ。

[大成 三六二A 団子聟]
(出典 多久・飯盛翁が語る佐賀の民話 P33)

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