多久市北多久町中ノ原 飯盛康晴さん(明43生)
百舌鳥（もず）がね、
夏は虫がたくさんいるから、この鳥が、
食べ物（もん）には、苦労しないわけです。
ところが、冬になったら、もう虫がいなくなるから、
冬の食料を蓄えるために、夏のうちに、
イナゴとか青蛙（あおびっきー）などを捕って、
木の枝の先のとがった所にね、差していました。
そうして、あの蜘蛛（くも）の下に、それを差していると、
そうすると、もう目印がつくからと言うことで、
蜘蛛の下にそれを必ず抜いて、そのようにしてました。
そうして今度は、冬になったら、
それを、食うためにしていたけれども、
その蜘蛛たちは、いつも一箇所にいないからね。
今度、冬になった時には、もう食べ物がある所が変わっていました。
そして、その百舌鳥は、食べ物を見つけることが出来なくて、
あんなにして残っているよ、と言う話を聞いています。
そういう話です。
（出典 多久・飯盛翁が語る佐賀の民話 P8）
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