野狐の難産

野狐の難産

本当(ほん)に、ヤコ(野狐)のお産のきつかったけんが、産婆さんば呼びにきたて。

そいで、その産婆さん連んのうで行ったぎ、産のたやすうできたて。

 

野狐の難産

野狐の難産

そいて、その産婆さんな、「ぜひ泊まらっしゃい」ちゅうて言われたけん、その晩な泊まったいば、朝起きてみたぎ、笹が上下かかっとったていう話ば聞きよったばんた。

そいでも、銭(ぜん)な、本当(ほん)な銭ば包んどったて。そいは、講の銭やったて。前の晩に講の銭の無(の)うなっとったて。

(出典 大和町の民話 P29)

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