佐賀市大和町松梅地区(仲)佐保幸雄さん

炊かずの鍋

炊かずの鍋

七兵衛さんと八兵衛さんが騙しあいをしたそうです。

八兵衛さんは、七兵衛さんが来る前に鍋に早く飯を炊いて棚の上に上げておいていたそうです。

そうしたら、鍋が「ブック、ブック、ブック、ブック」と音がするから、

「ありゃあ、何(ない)かい」と七兵衛さんが聞いたら、

「ありゃあ、炊かずの鍋じゃあ」と八兵衛さんが言ったそうです。

それで、「そがんとのあっかい」と言って、

七兵衛さんが八兵衛さんから、鍋を買って、

自分の家に持って帰り、鍋を棚の上に上げておいていたけど、全く炊けなかったそうです。

それで、八兵衛さんの所に聞きに行ったら、

「ありゃあ、嘘言すらごとくさぁ。我がふうけとっけん、騙されたっちゃあ」と言ったそうです。

(出典 大和町の民話 P25)

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