佐賀市大和町春日地区(国分)山口シゲさん

長い名の子
むかぁし、二番お母(か)さんがおんさったでしょう。
その二番お母さんが、我が子が長く生きるように、「あの山こえて、この山こえて、まっぴら入道、ひら入道、いんずんぼんずんどんじゃぁ、どんすけどん」て付けたそうですよ。
そして、先の子にゃぁ、早(はよ)う死ぬように、「ちょき」て付けたそうです。
そいぎ、ある時、川に入って、ちょきが入った時ぁ、みんな早う来て上げてくれたけんど、あの山こえてていう子供の入った時ぁ、もうあんまい長かもんじゃから、誰(だい)でん寄ってこんで、とうとう死んだていう話。
そいばぁっきゃ(それでおしまい)
(出典 大和町の民話 P21)