佐賀市大和町松梅地区(仲)左保幸雄さん

マムシと蕨

マムシと蕨

蝮(ヒラクチ)とナメクジは、仇(かたき)だったそうです。

春先に土手のところで、蝮が昼寝をしていました。

そして、ナメクジが蝮の周りに来て、

グルッと回って白い液を垂らしたので蝮は動けなくなり、

外に出られないようになったそうです。

そして、春先で、暖かいから、蝮の下から蕨がパアッと出てきたそうです。

それで、蝮は、その蕨の上に乗って、ポォンとナメクジの白い液の外に逃げれました。

だから、蝮は蕨に恩義があると言うことです。

だから、私達は蝮に噛まれないように蕨を採りに行く時は、一番早く見つけた蕨の汁を爪に付けるんです。

そして、歌詠みもして行くと良いそうです。

「東山、こうすの山のたち蕨、そのいにしえを忘れたか、まむし」と。

そうすると、蝮から噛まれないと言うそうです。

今まで、蕨採りに行って、蝮から噛まれたと言う人はいない。

それは、この話から来ていると。

(出典 新佐賀市の民話)

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