佐賀市大和町松梅地区(柚木)荒木鹿一さん

苔谷山の長者と大黒さん
昔、苔(こけ)谷山(だにやま)に長者どんがおって、そこは、長者さんじゃから、あんまい人が来て、お金ばっかりあんまいかかんもんじゃから、どういう風にしたこんな、こんごとなっじゃろかて、大黒(でゃぁこく)さんに聞かしたぎ、
「足中(踵がない草履)ば、東さい向いて仰ぐぎ、誰(だい)でん来んごとなっ」て言いなったて。
で、そうしたら、誰でんこんごとなったばってん、家は潰れてしもうたて。
人の寄りつく所(とこ)じゃなしにゃぁ、栄えんていう例えじゃろう。
(出典 大和町の民話 P12)