佐賀市大和町池上 杉町 勝美さん(明40生)
昔、どうしても石井樋に堰(せき)が出来(でけ)んて。
そいぎ、庄屋さんが、
「足半(あしなか)の右ないの人を
人柱にせんばいかん【しないといけない】」ちゅうて、言いんさったて。
昔は草履のことを足半(あしなか)て言いよったですよ。
そいけん、
「誰(だい)か、履いとん者(もん)な、おらんか」て、
その庄屋さんの、ずうっと調べたら、
その言うた庄屋さんが履いといなったて。
そいで、その庄屋さんが人柱になって、
あすこに埋められてるそうです。
そいじゃから、お観音さんば祀っとんさって。
三っ、井樋のあっとの真ん中にですかね。
(出典 新佐賀市の民話 P22)