佐賀市富士町西畑瀬 光野カズエさん(大15生)

語り 大島實樹子さん

 むかし、むかし、むかしね、

殿様の家に、とても良い皿が何枚もあったそうです。

そこの家の女中が、それを拭いて棚の中に入れようとしていたそうです。

 ところが、勘定してみると、どうしても一枚足らないので、

何度も数え直したけれども、やはり一枚足らないそうです。

一生懸命、一枚、二枚、三枚と数え直しても、どうしても一枚、足りません。

 そして、そこの殿さまから皿が足りないことを見つかってしまい、

殺されて、その家にあった井戸の中に捨てられたそうです。

 それで、今でも、その井戸の中から、

「一枚、二枚、三枚」と数える女の人の声が聞こえると言うことです。

(出典 嘉瀬川ダム建設に伴う学術調査報告書 P694)

佐賀弁版 TOPへ