佐賀市大和町春日 平原増次さん(大4生)
野狐(ヤコ)と田螺(たにし)が
駆(か)けごろ【競争】して、
野狐が自分が早かと思うとったところが、
田螺が付いて来(き)とったちゅうもん。
行きさま、野狐の尻尾に飛び付(ち)いて、尻尾に下がっとったて。
そいぎ、着(ち)いて、野狐が、まぁだ来よらんにゃあ、と思うて、
後ば見たところが、そん時ぃは、田螺はそこに飛び降りとったちゅうわけですよ。
そいて、
「お前、今来たかい。俺(おりゃ)あ、先ぃ来とっじゃ」て言うたて。
(出典 新佐賀市の民話 P18)