佐賀市東与賀町溺東 小林 辰夫さん(大7生)
ありゃあねぇ、お大師さんの、お巡りに行きよんさって
そいぎ、あるところで、何じゃい炊きよんさったて。
そいぎ、お大師さんの、
「そいば、少(すーこ)し食べさせて」ち言わしたち。
そいぎ、
「そいは食われん」ち言われたて。
そいぎ、
「食われんちゅうて、何故(なし)食われんかい」ちゅうて言うたばってん、
やっぱい、
「食われん」ちゅうもんじゃい、帰いよったて。
そいでも、やっぱい不思議に思うて、どこまでじゃい行たばってん、立ち戻ってきて、そして、
「どうでんこうでん【どうしても】食べさせろ」て言うて,
釜の蓋(ふた)ば開けてみらしたぎ、死人ば炊きよったちゅう話ですよ。
そいけん、ここら辺は、
「味噌豆は七里立ち戻っても食べよ」て言うですよ。
(出典 新佐賀市の民話 P49)