佐賀市大和町久池井 久保義男さん(年齢不詳)
お寺に、おはぎばあげとったぎ、
いつんはじゃぁ(いつの間にか)無くなっとったとやろ。
そいは、小僧さんがこっそい食べて、
観音さんの口ぃおはぎを塗すくい付けとんさったて。
そいぎ、和尚さんが帰って来て、
おはぎが無かもんじゃい、小僧さんに聞いたぎ、
小僧さんが観音さんば指さして、
「ほら、観音さんの食べとっ」て言いなったて。
そいぎ、和尚さんが、
「そいないば」て、叩(たちゃ)ぁてみなったところが、
「クワーン」て言うたて。
そいぎ、和尚さんの、
「ほら、食わんて言いよっ」て言うたぎ、
小僧さんが、今度は、お湯ん中に入れたぎ、
「クタ、クタ、クタ」て言うたて。
そいばぁっきゃ【それでおしまい】
(出典 大和町の民話 P22)