佐賀市長瀬町 納富信子さん(大14生)

  お寺に青年たちが寄ってね、

「何か怖(えす)か話ばしゅうか」て、言うとったて。

そしたら、天井から太ーか鍋のバタって、落ちてきて、そいの中に、

うどんのたぎぃよったって。そうしたら、食うてみたぎぃ、くう(大変)うまかったて。

そいけん、

「ああ、うまかったない」ち言(ゅ)うて、みんな帰って、そいばみんなで話しよったて。

そいぎぃ、そいば聞いた隣の部落の青年たちの、

「そいない、俺(おい)どんも行ってみゅうかい」ち言(ゅ)うて、行ってみたて。

そいたら、今度も、天井から太ーか鍋の落ちてきたて。

そいはよかったばってん、そいの中に、白髪の真っ白うなった婆さんが入っとって、

「昨日のうどんのじゃー」ち言(ゅ)うて、出てきなったて。

昨日のうどんのだい(代金)ばやれていうわけ。

そいけん、人の真似ばっかいすっぎぃ、そがんごとなって。

(注) 話がなくなると、祖母はこのような話をしてくれた。

(出典 さが昔話 P116)

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