佐賀市久保田町福所 藤木キヨさん(年齢不詳)

 お宮のお祭りの時に、筍(たけのこ)ば、笹船に乗せてあぐっでしょう。

わんざと、竹の硬いところ切ってですね、あぐっですもんね。

そいは、河童【かわそう】に、人間には勝つ見込みのなかて、思わせるためて。

むかし、何じゃい、人間との話し合いで、河童に筍ばあぐっごとなったて。

そん時、人間が、わんざと、生の硬【かと】-かとば上げとんさったて。

そいぎ、河童が、その筍ば食べようとしたぎ、

本当に【ほんに】硬うて食べれんやたて。

そいぎ、人間な、どがんして食べよっじゃろうかて、思うて、

河童が見に行ったぎ、人間は、おいしそうに筍ば食べよんさったて。

筍の湯がいたとばね。

そいけん、そいば見て、河童が、

「人間な、あがん硬かとば食う」ちゅうて、えっしゃあして、

そいから、人間をとらんようになったて。

 

(未掲載)

標準語版 TOPへ