佐賀市久保田町横江 陣内ツネさん(明44生)
産女(うぐめ)て言いよったですよ。
ある人が、晩に、
墓ん側ば行きよんさったぎ、女の人が出て来て、
「ちょっと、私(あたい)が帰って来(く)んまで、
この子供ば預かっとってくんさい」て言われたて。
そいぎぃ、その子が重(おふ)たか【重たい】て、石のごと重たかて。
そいでん、我慢しとって抱(うだ)いとったぎぃ【抱いていたら】、帰って来て、
「お礼に、あんたの願いば、叶えてやっけんが、何じゃいなかか」て言わすもんじゃい、
「力が欲しか」て言わしたぎ、その人は力の強くなんさったちゅう。
そがん、伝説も聞いたことのあっです。
(出典 新佐賀市の民話 P58)