佐賀市久保田町溺東からみひがし 南川 伝四郎さん(明44生)

 庄屋さんごたっ所(とこ)で、

猫ば本当(ほん)に苛(いじ)めよんさったて。

そいけん、

「魚とか盗人して、どがんでんされんけんが【どうも出来ない】」ちゅうて、

殺して放(ほた)い捨(ふ)てなった。

 そいぎ、三年ばかいして、

そこに南瓜(かぼちゃ)の本当に太かとのなったて。

そいぎにゃあと、その南瓜ば食べたいば庄屋さんが即死したて。

そいけん、その南瓜の根ば、ずーっと掘ってみなったぎ、

本当に猫の口からさい、根の出とったて。

猫の恨みが南瓜になって仇討ちしたていうことやろうか。

そいけん、そがんと【自然に生えたもの】は

食ぶんもんじゃなか【食べるものではない】て言いよった。

(出典 新佐賀市の民話 P56)

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