名前年齢不詳・男性(福富)
お釈迦さんが干支を決める日ば【日を】、
猫が鼠(ねずみ)に聞いたて。
「いつ、やったか」て。
そいぎ【そうしたら】、一日ずらきゃあて【ずらして】、教えたて。
そいから、牛は、
「俺(おりゃあ)、足の遅(ぬる)かけんにゃあ、一日前から立とう」て言うたて。
そいぎ、鼠(ねずみ)は体の小さかもんじゃけん、
歩(あゆ)うで【歩いて】行きよっちゃあ、間(ま)に合わんばい、て思うて牛の背の上に乗って、
そいて、お釈迦さんの家の表ん口ぃ入っ時、ヒョッと降りて、一番先ぃ、家ん中に入ったて。
そいけん、鼠が一番て。
次が牛て。
そいて、猫も行ったばってん、一日、間に合わんやったて。
そいけん、未だに、鼠を追いかけまわすようになったて。
(未掲載)