佐賀市久保田町江戸 堤 チエさん(大7生)

 お釈迦さんが、死なした時にね、

雀はね、一番口ぃ【一番先に】走って行ったけんが、

「お前は早よ来(き)たけん、米食うて良か」て。

そいけん、稲の穂の実ったら、雀は一番先に食ぶって。

そいから、燕(つばめ)はね、

もう、紅(べん)付け鉄漿(かね)付けして、洒落て行きよんさったけん、

お釈迦さんの死に目に遅れたわけよ。

そいで、「お前は、米粒食ぶっぎ【食べたら】いかん。虫食え」て言われたて。

そいけん、虫しか食わんて。

そいから、蛇(くちなわ)は足が無かけん遅ぅ来て、蛙【ビッキィ】に

「俺(おい)は何(ない)ば食うぎ良かやいかぁ」て聞いたぎ、

蛙が「俺が尻(しっ)どん【でも】食え」ち言うたけん、

蛙はお尻から食べらるって。

(出典 新佐賀市の民話 P52)

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