佐賀市富士町上無津呂 上無津呂 勘三さん(明19生)

 下無津呂にあっ川の少し上の方に

堰堤(えんてい)がありますもんね。

その堰堤から田の水ば引きよったもんですもんね。

そこは、気持ちの悪いとこです。

そこに、トダナ石て言う石のあります。

そこはね、

「狐が火を灯(とも)すところだ」と言われよったです。

そいけん、そこを通っ時は提灯を下げて、

「エヘン、エヘン」て威張ってから通らんば、

「化かさる」って、昔の年寄りから言われよったです。

(出典 新佐賀市の民話 P17)

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