佐賀市富士町大串 江口 仁一郎さん(大12生)

 七山(唐津市七山村)の青年と南山(富士町熊の川)の青年が,

川の数(あいごろ)で喧嘩になったてんもんたんたぁ。

初め、七山の青年が、

「糸川、荒川、馬川、滝川、藤川」ちゅうて、ズーッと川の名ば言わしたて。

そいて、

「こぎゃんどっさい【こんなに沢山】あっぞ」て、言わしたて。

そいぎ、南山の者(もん)が、多かにゃあ、て思うたばってんが、

「負くんもんかぁ」ちゅうて言わしたて。

「家(うち)ん辺(にきゃあ)【自分の所は】、九万もあっばい」て。

そいぎ、

「九万て、どこん辺(たい)にあっかい」ちゅうたけん、

「熊ん川たい」ちゅうて、

南川の青年が七山の青年ば、

やり込にゃあた【やり込めた】てったんたぁ。

(出典 新佐賀市の民話 P17)

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