佐賀市長瀬町 納富信子さん(大14生)

 むかーし。

お天道さんと、お月さんと、雷さんが旅に出て、

一緒の宿に泊まったそうです。

そして、翌日、

お月さんは明け方に旅に出られました。

そして、お天道さんは日の出に旅立たれました。

すると、雷さんが目覚ましたら、

二人ともいないので、女中さんに、

「お月さんとお天道さんな、どうしたんですか」

と聞いたら、

「お月さんな明け方に立たれて、

お天道さんな日の出の時刻に立たれて。そいけん、

あなた一人(ひとい)しか残っとらんですよ」と

言われました。

雷さんは、

「そんない、俺(おい)は、夕立ちにしよう」と

言われました。

そいぎぃ、ばあっきゃ。【それで、おしまい】

 

(出典 さが昔話 P38)

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