佐賀市長瀬町 納富信子さん(大14生)
親父さんがね、夏の夕暮れやったこっじゃい何か知らんばってん、
お縁の辺(にき)で、たばこば吸いよったて。
そいぎにゃあとは、息子が外で何じゃいしよったて。
そいぎ、親父さんの、
「あさん【お前】な、そがん所(とこ)におって、蚊は噛(か)かんこう」て、聞きんさったて。
そいぎ息子の、
「蚊食(か)んばってん、蚊から噛(か)れよっ」ち言(ゅ)うたて。
そいぎぃ、
「お父さん。あんた、蚊ば食うたかんたあ。
そいけん、煙草で腹ん中、くせぶらかしよっかんたー」て、言うたて。
(出典 さが昔話 P54)