小城市三日月町四条 西岡ヤスさん(明35生)

語り おはなし会三日月 井上正仁さん
  二番お母(か)さんのお話です。

先(せん)の子供さんは、五郎さんとか何とか、短い名前を付けて、

自分の子供には、名前が長いと出世するとかいう話を

聞かれていたか何かで、長い名前を付けられたそうです。

それで、五郎さんが井戸に落ちた時は、

「五郎さんが井戸に落ちた」と言うと、

助けに来て、すぐに引き上げてくれたそうですが、

自分の子供さんの時は、名前があんまり長いので、

名前を呼んでいるうちに、息が絶えてしまっていたそうです。

それで、子供の名前は、あまり長く付けるものではないそうです。

その二番お母さんの子供の名前は、

「あんまにままに、しゅりしゅりて、

もくりょううくたび、あいしゃびうんしゃび、

はるかわしゃびて、いびしゃびて、

だんだすっぱんさん」と付けていたそうです。

その名前があんまり長いものですから、

名前を言っている間に、死んでしまったという話です。

(出典 三日月の民話 P93)

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