小城市小城町川内 円城寺タマさん(明31生)

 むかしむかし。

二番嬶(かか)さんは先妻の子供を憎んでいた。

ある日、二番嬶さんは大釜に湯を沸かし、

その中に子供を入れて焚いていた。

そこを通りがかりの人が、

「何、焚きよっかんたぁ」と、

二番嬶さんに尋ねた。

「これは味噌豆」と、

二番嬶さんは通りがかりの人に言った。

「味噌豆は食べさせても良かろうもんじゃい、

食べさせてくんさい」と通りがかりの人は言った。すると、

「うぅん、食べさせられん。

まだ煮えとらんから食べさせるわけにはいかん」

と、二番嬶さんは言った。

そして、二番嬶さんは川へ水汲みに出かけた。

その留守に通りがかりの人は味噌釜の蓋を開けてみた。

すると、子供を湯で殺していたので、その人はびっくりしてしまた。

だから味噌豆は七里も立ち返ってでも食うものだと。

そいばぁっかいたい。

(佐賀の民話第一集 P124)

標準語版 TOPへ