小城市小城町馬場 佐藤タカさん(明38生)

 むかしから、五月五日に子供が生まれることはよくないと。

それは五月五日に子供が生まれると、河童が言い渡すそうな。

だから、

「この子が十五になったけんが、ぎゃんして【こうして】、

言い渡しば受けとっけんが」と言って、

餅をついて袂(たもと)の中に入れて、持たせてやるそうな。

その子が川を渡っている時、餅をポテンポテンと、落してしまう。

その餅を河童が食べている時に、子供は無事に逃(の)がれると言うことさ。

だから川渡り餅と言うものは、必ずつくもんだと。

(佐賀の民話第一集 P128)

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