小城市小城町 山崎モモエさん(大12生)

語り おはなし会三日月 柳井縫子さん
 猫が干支に入っていないのは、

鼠(ねずみ)が猫に嘘を言ったからだそうです。

猫も干支に入りたいので、鼠のところに行って、

「お釈迦さんが干支を決める日は何月何日だったか?」

と聞いたそうです。

そうしたら、鼠が猫に嘘を言ったそうです。

一日ずらして次の日を教えたそうです。

それで、猫は、次の日にお釈迦さんのところに行ったら、

もう干支が決まった後だったので、お釈迦さんから、

「今頃来て」と言われたそうです。

それで、自分が十二支に入れなかったから、

鼠を仇(かたき)と思って、今でも、猫は鼠を捕って食べるそうです。

それから、鶴も遅れて来て、干支に入られなかったそうです。

それでも、

「辰の後に入るっと言いやすうなかか。

『たつ、つる、み』ちゅう順番に言うたら、良いじゃあなかか?」

て言うたけれども、やはりだめだったそうです。

鶴は姿が良いでしょう。

掛け軸などに描いてあっておめでたいでしょう。

それで、どうして入ってないかお婆ちゃんに聞いたら、

そういう風なことと言われて、話して聞かされました。

(出典 小城の口承文芸p18 原題:22 十二支由来 鶴、鼠)

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