小城市小城町小隈 江頭國男さん(大15生)
むかし、あるところに、
親の反対ばかりする子がいたそうです。
「山に行って山仕事してこい」と言うと、
川に行って魚取りしてくる。
それで、お父さんが、
この子はまともなことを言ったら反対のことばかりする。
俺が死ぬ時は、山に埋めてもらいたいと思って、
「川の土手に埋めろ。そこに墓を作ってくれ」
と言って死んだそうです。
そうしたら、その子供が、
せめて最後だけはお父さんの言うことをきこうと思って、
正直に、川の土手に埋めたそうです。
それで、雨が降ると、
「お父さんの墓がきゃぁ流れはせんか」と言って、
蛙になって鳴くようになったそうです。
最後に、正直に親の言うとおりにしたので、
今度は、心配して、いまだに、雨が降りだしたら、
「ギャギャギャ」って鳴くそうです。
そんな話を聞きました。
(出典 小城の口承文芸 P30原題:54 仏ビッキー)
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