小城市小城町川内 渕上タカさん(明29生)

 むかし。

あるところで、お母さんが子供を1人で遊ばせていました。

その子供を鷲(わし)が飛んで来て、さらって行ったのです。

お母さんは、子供を探し回ったけれども、とうとう見つかりませんでした。

ある日、お母さんは白足袋と黒足袋を履いたまま、鳥になって子供を探しに、

「カッポウ、カッポウ」と鳴いて、飛んで行きました。

それから、いつも竹の子が生える頃になると、

「カッポウ、カッポウ」と鳴いて、飛んで来るようになったのです。

それは鷲からさらわれた子供をお母さんが、鳴いて探していると言うことです。

だから、今でもカッポウ鳥の足は、

一方は白く、もう一方は黒くしていると言うことです。

そいまぁっきゃ【それでおしまい】。

(出典 佐賀の民話第二集「カッポウ鳥」P160)

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