小城市小城町川内 渕上タカさん(明29生)

語り おはなし会三日月 柳井縫子さん
むかし、お母さんが、子供を一人で遊ばせていたら、

わしか何かが、

その子供を捕まえてさらって行ったそうです。

 それで、お母さんが、慌てて、

白足袋と黒足袋とそれぞれの足に履いたまま、

その子供を捜しに旅に出たそうです。

 そして、訊ねて歩いたけれども見つからずに、とうとう鳥になって、

「カッポウ、カッポウ」と鳴くようになったそうです。

竹の子の生えてくる頃に鳴くカッポウ鳥が、それです。

 それで、カッポウ鳥は、今でも足が片方が白で片方が黒になっています。

 そういう風に聞いていました。

(出典 小城の口承文芸 p37 原題:75 カッポウ鳥の話)

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