神埼町竹原 佐藤キクさん(明24生)

 その、安珍さんちゅう人は、それその、女(おなご)のよっぽど、

きれいか女のつんのうて、歩(そう)つきよらしたてじゃろう。

そうしてその、その人のどけぇ逃ぎゅうもなし、その、吊鐘ばおろして、

そこにその、かごうどらしたて。

そうしたぎ、その女のもう、一生懸命腹立てて、吊鐘ば、

焼かしたじゃろうなたぁ。

そいぎ、安珍清姫は、焼けさしたろじゃろうだんたぁ。

そいぎ、吊鐘下(おれぇ)て、そこに

かごうどらしたて、ちゅう話しないよったて。

(出典 未発刊)

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