神埼町城原 西 スモさん(明28生)

 安珍さんと言うのはきれいな坊さんで、

そいであの、清姫さんがちょっと、

好きになって、もう始終、

追っかけて歩(さる)く。

そいであの、逃げて歩(さり)いて

どがんしゅうでんなかもんじゃいけんが、

吊い鐘の下に、ちょっと、

かごみんさったちゅう話じゃん。

そうすっと、清姫さんがもう、

ちょっと、口に言うぎとは、こう何か、

大蛇のごとなんさっでしょうね。

そしてその、鏡のぐるいばこう、巻いたて。

そいぎその、あがんとで焼け死んだとか

なんてろうで。

(出典 未発刊)

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