神埼町大門 八谷勘三さん(明24生)
千栗土手(でえ)のきれた時が、あつこのなた、蓮池てん佐賀てんが
公役行きよったもようじゃんなた。
今で言うぎ土木たなたあ。
監督のごたっとが、いくら堰(せき)止めたっちや、
堰止めのできんじゃったて。
そいぎ、そん時、わがが、あの、
「この、着物(きもん)の、縦横の着物着とん者(もん)が、いい」て、
言うたてなた。
そうしたいば、だいぶん調べたばってんが、あがんと、横じまの者は、
わがが縦横でしとったもようたんたあ。
そいぎぃ、わがが人柱にあの、江口のあつこん所(とこれ)ぇおったろう。
そいで、わが、人柱に立ってなた、あげんとしたちゅう話。
(出典 未発刊)